2024年5月1日建築学科学生?教員の受賞情報

向山徹教授(建築学科)が設計した「岩国のアトリエ」(建築作品)が「2024年日本建築学会賞(作品)」を受賞しました

デザイン学部建築科 向山徹教授が設計した「岩国のアトリエ」(建築作品)が、「2024年日本建築学会賞(作品)」を受賞しました。
本賞は、近年中、主として国内に竣工した建築の設計(庭園?インテリア,その他を含む)であって、技術?芸術の進歩に寄与する優れた作品に贈られています。

受賞作品 受賞作品

受賞作品 受賞作品 受賞作品

作品名「岩国のアトリエ」(建築作品)

【この作品は、書と絵画の収蔵庫を含む画家のアトリエと展示ギャラリー、その家族が暮らす住居を分棟形式で建築したものである。???中略???
 西側の道路に対して低く構えたアトリエ棟では、内外ともに熟練の左官職人の手で丹念に塗り重ねられた土壁の厚みとその特徴をいかんなく表現するに相応しいディテールのおさまりが徹底されている。金物を使うことなく精緻に加工された木の継ぎ手による架構が柔らかな天空光と緩やかな風の流れを誘い、土壁の質感とともに創作の場と作品が展示される場の空気を支配する。東側の樹林に寄り添うような高さで建つ住居棟では、???中略???地盤面より低く掘り込まれたリビングから 2 階の居室まで、巧みに設定された床レベルと天井高の組み合わせが、90 ㎡に満たない延床面積では得がたい空間の多様性をもたらす。さらに、これら2棟を微妙な角度のズレをもって配置することにより生み出された狭間は、深い軒内が尾根筋に沿って延びるにわとなり、道路から斜面をよじ登るようにアプローチした先に展開するシーンの舞台であり続ける。にわの中程では、アトリエ棟の石敷テラスを通して広がる集落の風景と手の届く先に広がる樹林の奥深さが同時に体験され、この豊かなシークエンスが、そのまま住居棟の様々な開口を通して見る周辺のスケール横断的な景の連鎖へとつながる。

 この作品の新しさは、現代の建築技術と伝統的な手業の融合による新たな地平をめざした取り組みが、土地のローカリティのもとで見事に実体化している点にある。それは、地域に根をおろした生業と暮らしの営みを支える空間という原点への回帰を、現代社会のコンテクストのもとで今一度定義することの重要性を明快に表現しており、日本建築学会賞(作品)を授賞するに相応しいと判断する。よって、ここに日本建築学会賞を贈るものである。】

学会賞HP: https://www.aij.or.jp/2024/2024prize.html
選評全文:https://www.aij.or.jp/images/prize/2024/pdf/2_2award_002.pdf
業績紹介:https://www.aij.or.jp/jpn/design/2024/data/2_2award_002.pdf

設計者:向山徹(英皇娱乐_英皇娱乐平台¥国际官网デザイン学部建築学科/向山徹建築設計事務所)
施工者:久良工務店一級建築士事務所